●あとがき  「負の遺産」とも云われる夢洲ですが、35年以上も大阪市内で発生
した焼却灰や浚渫土等を受け入れて、埋め立て処理してきた確かな実績があります。
完成後20年で 可動橋の運用として実質一度も動いていない夢舞大橋、15年近く地
下鉄空間が塩漬けされていた夢咲トンネルは、見込みの甘い誘致や計画の呼び水とし
て「つくるためにつくった」構造物です。人工島を「住宅地に」「オリンピックを」
と持て囃し、「つくるためにつくる」を繰り返してきた行政・施策こそ「負の連鎖」
であり、今も受け継がれている「負の遺産」です。(咲洲だけでも)ATC、旧WTC、海
の時空館…これらの「つくるだけつくる」と同類ながらも一味違う‟たちの悪さ"に気
付かされます。とにかく夢洲そのものが「負の遺産」にされる筋合いはありません。
 万博やIRには多様な意見が発信されています。しかし高度な分析や豊富な情報量を
以ってしても、興味を持たない世間からは関心を引き出せません。その無関心をいい
ことに行政はやりたい放題、結果は上記の通り。一般市民による健全なチェックと監
視こそが、民意となり数となって「動かす・止める」ための最大の力になるはずです。
 難しい、時間や関係が無いからと無関心になる理由は様々です。そこで おかし(お
菓子)な視点から拡がっていく興味や関心もあるはずと、この本に期待を込めました。
 拙書は 当シリーズ通常本の約3倍の絵や情報量です。(行政資料も含め)各種媒体類、
参照させていただいた情報の発信者の方々、お読み下さった方々に感謝申し上げます。

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   モナカンのほん㉑ やわらかゆめしま