●あとがき 「ココロ 雨降りなら思い出して ボクが傘になること」
 こんな歌詞が入った楽団オリジナルの制作楽曲「きみとうちのそら」が、湯沢町
岩原での作曲合宿で誕生してから15年を迎えようとしています。
 子どものみなさんは普段からよく泣きますか?大人のみなさんは子どもの頃よく
泣いていましたか?筆者はよく泣きました、家庭では。おそらく家族・親戚一同、
幼少期の私にはまず泣いている姿が目に浮かぶことと思います。一方、保育園や学
校では全く泣かず、同級生に不思議がられる存在でした。外はほぼ同じ歳・同じ立
場の子どもの世界なので、良いも悪いもたくさんの行動サンプルがあり、起こる大
体の出来事への「守り」が可能です。しかし末っ子の性分か、家に帰れば「守り」 
を忘れて喜怒哀楽の連続、特に不意打ちの出来事にはめっぽう弱くよく泣きました。
即ち家の外では防衛本能で、無意識に『なみだのちすい』を行っていたのかも知れ
ません。(健全・不健全は別として)予想や思案等の備えがあれば、自身に起きた出
来事への感情や動揺を制御でき、ある程度 涙を堪えられることは確かなようです。
 最後にみなさんへ、「ココロ 雨降りなら思い出して 霞堤(かすみてい)があるこ
と」の一文をお贈りします。あなたがひとりで涙を止められないほど辛く悲しい時
には、ぜひ「霞堤」の水が増えてゆっくり引いていく様子を思い浮かべてみて下さ 
い。1秒でも早く涙が落ち着けば本望です。 涙の前に治水あり 涙の後に幸あれ

もどる   すすむ




   モナカンのほん④ なみだのちすい