楽団を育てたものは楽団内から寄せられる「文句」 であることはよく知られておりますが、同じく「怠惰」 への対策が楽団を成長させてきたことも事実です。 当時の執行部である運営陣を対象に配布し、日付を 基礎に「やるべきこと」を「書いて、見て、行動する」 を実践してもらうために生まれた物が学生手帳でした。 結果、その効果は薄く あの悪夢の「演奏会企画放置」と その「後始末」へ転落していくことになるわけですが、 この学生手帳は後年にカレンダーへ展開していきます。 作成・配布の目的から言えば、学生手帳は紛れもなく 失敗作でした。しかし今日、カレンダーに対しては「使 いやすい」との一定の評価を受けていることからも、 当初の「書いて、見て、行動する」という目的は、人 と場所を変えて果たされているとも言えるようです。 サイズはA6版 (左から)「2012年 学生手帳」 「2013年 学生手帳」 「題名の決められない音楽会 学生手帳」 ● 通常版 学生手帳 (左) 2012年学生手帳 表紙 (右) 2013年学生手帳 表紙 校章や名称について、楽団の定義を記しました。 また、2007年頃から合言葉として用いられている 「いつまでも、ふざけることにまじめです。」の 非公式スローガンをページに入れました。 学生手帳らしく校歌の歌詞を掲載しました。校歌は 2011年8月20日に制定され、それ以降もあらゆる手段 で歌詞と旋律の周知・拡大に努めたものの、校歌を 斉唱できる楽団員は現在もごく僅かです。 手帳のテーマは、 「毎日が記念日。過去を讃えながら未来を創る。(後略)」 活動が少ない楽団には、積み重ねた活動の一つ一つが 記念日であり、記録されるべき大切な財産なのです。 これぞうち大カレンダーの原型!? 一覧のカレンダーは一般的なカレンダーとは異なり、 月の最終日の周辺を纏めて表記していません。 【(上記9月で例示)9月30日を前週の23日に併記して 「23/30」 として纏めて表記せずに、30日も個別に(独立して)表記している】 このレイアウトは、現在のうちの大学カレンダー にも踏襲されており、全ての日付の予定を個別に書き 込むことができるようになっています。 ページには過去の活動記録が記されています。 「活動実績を踏まえながら近日の予定を記入する」、 これこそ「過去を讃えながら、未来を創る」を理想と した楽団公式学生手帳の形です。 「うちの大学は夏の楽団」これを裏付けるように、 8月後半(古町パレード)から9月前半(内野まつり)は 過去の活動記録が集中しています。 このページは、学生手帳の最重要ページでした。 (活動準備) ギリギリまで取り掛からない (活動事後) ほったらかし (活動準備) 前回活動の処理から始めるので、ギリギリまで取り… …→ 無限ループ このだらしなさが常態化した楽団を改善すべく、運営 陣と事務間で結んだ作業・確認工程が「運用・展開・ 主導・参入 プログラム うんてんしゅさん」です。 活動前の準備と活動事後(処理)の目安30日間工程を 学生手帳に記載して、明文化・可視化しました。 (結果として、運営陣から自発的に日程目安に沿った準備・処理工程が 進められることは、1回もありませんでした) 「とにかく書いて、見て、行動すること」 これを実践するためのフリーメモ(雑記)ページも設け られています。 2011年8月20日、10周年パーティー出席者の満場一 致で採択された 「創立10周年宣言文」 は、現在も 楽団に継承されている唯一かつ不朽の決議文です。 裏表紙 有志の楽団員で楽団に寄贈されたプリンターでの生産 物(印刷物)には、「うちの大学出版」の名称が印字され ました。 ● 特別版 学生手帳 2012年夏、運営陣が楽団の解散を決議しました。 これを受けて設けられた運営陣と事務で解散フロー・ スケジュールを確認する作業の席上で明るみになった のは「演奏会企画」の放置。 同時に、この「放置」状態を を含んだ解散決議であることが露呈されました。 「一個人の保身と思惑で、楽団を解散」 あまりにも稚拙で短絡的な手法が、将来的に集団と して、そして当事者自身にとって、大きな禍根を残すこ とは確実です。それを回避するために、まずは運営の 実態を楽団内に詳らかにする必要がありました。 同時に、この出口の無い演奏会企画を正攻法で打開 すべく、急遽 解散の取り下げと演奏会企画の立て直し が図られることになりました。 決まっていることは、開催日と会場のみ 開催日まで残り約3カ月、ほぼ「0」からの企画始動 短期決戦・総力戦で演奏会企画を成功させるには、 楽団員(参加者)全員の緻密で確実な日程管理が不可 欠です。これにより、3カ月間対応の特別版学生手帳 を作成し配布しました。 題名の決められない音楽会学生手帳 表紙 表紙には、参加楽団員が選んだキャラクターと担当楽 器、学籍番号と名前が記されています。 期首に運営陣が採用した第12期スローガンには、奇 しくも「決心」と「チャレンジ」の文言が並びます。 演奏会企画がこのスローガンを具現化した集大成と なるか、はたまた皮肉として滑稽な結末となるのか、 運営陣の手腕と楽団の底力が試されました。 年度学生手帳(前述)と同様、定義や校歌ページに加え 演奏会開催の概要、企画者の決意文、参加楽団員への お願い等を掲載しました。 「25→25」 参加登録者25人が誰一人欠けることなく 25人全員で演奏会舞台に立てることを願って、この25人 の初期登録者グループは「にこにこ(2525)ぷん」と命名 されました。 この後の追加参加登録者グループを「すみれぐみ」、 技術系賛助者(受付・照明等のいわゆる「裏方さん」)は 「クリメイト」と名付けられ、3グループ一体で演奏会の 成功に向けて突き進むことになりました。 演奏会成功への第一歩は、参加者全員の顔と名前の 一致が不可欠である考え、25人のメンバー表ページを 設けました。学生手帳の他にも、首掛けの「学生証」 や号外の「うちだい新聞」の発行等で、互いの連帯意識 を高める取り組みを行いました。 メンバー表の他にも、キャラクターの集合ページで 顔と名前と個別キャラクターと担当楽器の記憶促進を 図りました。 練習参加率を高めるために、ラジオ体操のスタンプ 方式のシール集めページです(実際に使用されたかは不明)。 「演奏会まであと〇日」を表記することで、演奏の仕 上がりと準備等の日程を意識してもらい、近づく演奏会 に向けての気運を高めました。 カレンダーページには練習場所と時間が記されて おり、各参加楽団員が効率よく練習に参加できるよう に工夫してあります。 注目すべきは演奏会開催日である11月11日以降の 12月のカレンダーページがある点です。もちろん前述の 通り、活動事後処理の30日以内の完結促進目的です。 「放置」が原因で、散々楽団を引っ搔き回した演奏会 企画を通してもその怠け癖は健在で、相変わらずの 「放置」が繰り返される結果となりました。 裏表紙 有形無形問わず「やれることはすべてやる」 その思いで生まれた学生手帳が演奏会成功の一助 となれたのであれば、手帳の意義はあったと言えるで しょう。 しかしながら、この演奏会での成功体験が「何とかな る」=「どうせきっと後始末してくれる」という歪ん だ経験則と勘違いの自信をもたらしたことも事実です。 実際に演奏会後には運営陣(企画当事者=準備作業は途中離脱) から、全てを総括するような文言が羅列されたメール が配信されました。性懲りもなく脚光を浴びたい願望 が透けて見えてくるようなその勇ましい文章とは裏腹 に、楽団運営の実態はさらに「放置」と「怠惰」を極 めます。またそれらを繕うための得意技である詭弁や 言い訳、同情を引かせる「お涙頂戴話」が乱発され、 その先には既に使用済の秘技「解散決議」に代わる 荒技「運営ボイコット」=「何もしない」に至ります。 手帳(予定帳)の有無で「やる」「やれない」のではなく、 何かと理由をつけて「やらない」だけである。 学生手帳はこのことを明確に示し、早々に「楽団(の 運営)に未来は無い」ことを予見させてくれる大きな役割 を果たしました。 カレンダーの誕生の背景に このような学生手帳の 存在に絡む楽団の暗い歴史があることを知った時、 あなたの手もとのうちの大学カレンダーは、未来型の 明るい楽団の象徴に見えて来るはずです。 |
2014年 |
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